挙式当日に行う儀礼編

福井での一生水にはどんな意味があるの?

挙式当日、嫁入り(婿入り)する本人が、婚家に入る前に玄関で一升マスの中のかわらけ(土器)を取って、その中の水を飲みます。このことを「一生水の儀」といいます。「一升」は「一生」に通じ、"一生その家の水を飲ませてもらう"、"一生その水が合うように"という意味を含んでいます。
水を飲んだ後のかわらけは土間に落とし、割れればめでたく、割れないと縁起が悪いといわれたようです(たいていは割れるようにもろくできています)。
坂井地区では、水と一緒に白米を差し出す地域があり、新婦がそれをひとつまみ取って紙に包んで懐に入れるところ、3粒を口の中に入れて噛むところなど、いろいろあるようです。昔のこと、といえばそれまでですが、結婚を大切なものとする思いが一つひとつの風習に表れていました。

≪マメ知識≫
草履のはな緒の向きはそのままで
「一生水」を飲んだ後は家の中に入りますが、その際に履いてきた草履は向きを直さず、はな緒を座敷の方に向けたままにしておくという風習があります。これは"その家に入ったら、その家の者になって出て行かない"という意味があるようです。
福井のしきたり
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